株式市場とはミスターマーケットという超絶メンヘラ躁鬱病おせっかい彼女

ヒンデンブルグオーメンの点灯なんてどこ吹く風で、ダウも日経平均もアゲアゲですね。

マーケットは常に正しい。

はい。これは嘘です。

全く以て嘘です。

「マーケットは常に正しい」という言葉を、トレーダーが真摯に受け止めるべき含蓄ある言葉だと思っている人は多いと思いますが、残念ながら嘘です。

今までいろいろなバブルがありましたが、今冷静に考えて、マーケットは常に正しかったといえますか？

そんなの後知恵バイアスだと言われそうですけれど、

マーケットは一秒後さえ予想できない人間たちの思いが錯綜する場ですので、非常に気まぐれで、感情的です。

市場はミスターマーケットである

投資の神様といえばオマハの賢人と呼ばれるウォーレンバフェット（世界3位の資産家）が出てくるかと思いますが、バフェットが師と仰ぐベンジャミングレアムという人がいます。

ベンジャミングレアムもウォール街の人でしたが、彼はその著書「賢明なる投資家」で株式市場とは『ミスターマーケット』であると語っています。

詳しくは「賢明なる投資家」をお読みいただくのがベストですが、簡単に言うと、

『ミスターマーケット』という親切な隣人は、毎日毎日株主の家のドアの前に現れては、昨日と違う価格で株の売買を持ちかけてきます。

『ミスターマーケット』によって提示される価格は、しばしば妥当なように思えますが、『ミスターマーケット』は躁うつ病なのでやたらと強気になって高すぎる価格を提示したり、異常なほど弱気になって安すぎる価格を提示したりします。

投資家は、毎日やってくる『ミスターマーケット』がその日に提示した価格に同意し取引してもよいし、『ミスターマーケット』を完全に無視してもよい。

ここで重要なことは、

『ミスターマーケット』は毎日やってくること

『ミスターマーケット』は躁うつ病であること

です。

『ミスターマーケット』が提示する価格は、適正なときもあれば、バカみたいに高かったり、安かったりするときもあります。

株の取引は日用品を買う時と一緒で、安いときに買って、高いときに売るべきです。

ですから、大事なことは、躁うつ病の『ミスターマーケット』に引きずられてバカみたいに高いときに買ったり、バカみたいに安いときに売ってはいけないということです。

ベンジャミングレアムは、今から70年も前に「マーケットはしばしば行き過ぎる」ことを指摘しています。

現代のミスターマーケットは躁うつ病どころの騒ぎではない

ベンジャミングレアムが「マーケットはしばしば行き過ぎる」ことを指摘したのは今から70年も昔の話です。

今の『ミスターマーケット』は、毎日やってくる躁うつ病どころの騒ぎではありません。

70年前は、一般の投資家が株価を知るのは毎朝の新聞でしょう。

昨日の始値と終値、高値と安値の一覧が新聞に並んでいて、証券トレーダーへ電話をかけて売買をします。

しかし現代はどうでしょうか。

スマホで毎秒価格が表示されます。

株アプリを開かなくても、iPhoneなら左にスライドするだけで、株価ガジェットが起動します。

神経質に動く株価が、リアルタイムで提示されるのです。

現代の『ミスターマーケット』は、毎日やってくる躁うつ病どころの騒ぎではありません。

ミスターマーケットという超絶メンヘラ躁鬱病おせっかいかまってちゃん彼女

スマホを操作するだけで、一秒間に何度も神経質に動く株価が、リアルタイムで提示される。

見たくなくても、知りたくなくてもつい見てしまう。

そんな現代の『ミスターマーケット』は、まるで超絶メンヘラ躁鬱病おせっかいかまってちゃん彼女です。

気分の上げ下げが非常に激しく、

毎秒神経質に価格を提示してきて、

かといって別れられない。

超絶メンヘラ躁鬱病おせっかいかまってちゃん彼女です。

9：00から15：00のザラバだけでなく、8：00からの気配値や、昼休みの気配値、引け後のPTSや深夜から明け方のADR。それが平日ずっと続きます。

とんでもないかまってちゃんです。

でも別れられません。別れは株式市場からの撤退を意味しますから。

こんな超絶メンヘラ躁鬱病おせっかいかまってちゃん彼女と長いこと付き合っていたら、こちらまでやられてしまいます。

超絶メンヘラ躁鬱病おせっかいかまってちゃん彼女との付き合い方

こんな超絶メンヘラ躁鬱病おせっかいかまってちゃん彼女とうまく付き合っていくコツは、

①絶対に主導権を譲らない

②ほどほどに無視する

③あまり本気で受け止め過ぎない

④適度に気にかけてあげる

これにつきます。

くれぐれもミスターマーケットという超絶メンヘラ躁鬱病おせっかいかまってちゃん彼女に振り回されないようにしてください。

コチラがやられてしまいますからね。

ベンジャミングレアムの「賢明なる投資家」は、値段以上の価値がありますよ。