2020/06/02
不動産関連の検索を繰り返した後に、ネット上の広告スペースにガンガン出てくるのは、不動産売却一括査定見積サイトの広告です。
興味本位でクリックしたら、非常に一般消費者に誤解を与える問題のある内容だと認識しました。
元不動産屋として、不動産業界が少しでも誠実であってほしいので、いろいろ書きます。
1.不動産売却一括査定サイトで儲かるのはサイト運営者
まず、インターネット上の広告欄に不動産売却一括査定サイトの広告がたくさん出てきます。
もちろんこれは広告料を支払っています。
それでも広告を出し続けるのは、広告主が儲かるからです。
不動産一括査定見積サイトは、お客さんが個人情報を入力すると、それをたくさんの不動産会社に流します。そして、情報提供料として一社あたり1万円前後、それを数~数十社分もらう、というビジネスモデルです。
不動産一括査定見積サイト運営者は、儲かります。
2.不動産会社からしたら、優先順位の低い客
一方、不動産屋からしてみれば、一括査定見積サイトを利用した客は、多くの不動産屋に依頼をかけているため、受注できる確率が低い客。という見方をされます。
したがって、自力で集客できる力のある不動産会社は、限りある人員、時間を割くのはもったいないので、雑に対応します。
成績の低い営業マンや、経験の浅い新人営業マンをあてがったりしますし、他のお客様を優先しがちです。
一方で、自力で集客できる力のない不動産屋は、広告料をかけている分、全力で営業してきます。
個人情報を入力したのは1回だけでも、そういった業者に数限りなく個人情報が流れていきます。
不動産一括査定見積サイトの下のほうに小さく記載してある「個人情報の取り扱いについて」を見ていくと、提携企業に個人情報を提携する旨、また提携企業から他社へ再提供される場合があることが記載されています。
3.不動産売却査定額は、実際の価格ではない
個人情報が際限なく流出してしまうとしても、高額で不動産を売ることができれば、それでも良いですが、一括査定をしたからと言って、高額で売却できるとは限りません。
もちろん、何社も査定依頼、見積もり依頼をすれば、金額にバラツキは出てきます。
A社のほうがB社、C社より高い査定、高い見積もりを出してくれた!ということは当然起こります。
ですが、不動産会社が出す査定額、見積額というのが厄介で、あくまで不動産屋が「これくらいで売れると思いますよ」という金額です。
それを元に売り出し価格を決めて売却活動をスタートします。
ホームページへの掲載やチラシで広告を出し、反応がなければ高すぎて売れないということですから、徐々に売り出し価格を下げていって、買い手が見つかったらその金額で着地します。
ですから、査定額というのは、実際に自宅が売れる金額とイコールではないので、そこを勘違いすると痛い目を見ます。
例えば、査定額がA社3500万円、B社3000万円、C社3100万円だったとしても、
結局相場が3000万円であれば、3000万円でしか売れません。
最初に3500万円で売り出そうが、値下げを繰り返して3000万円に下げないと、売れません。
であれば、最初から3000万円で売り出したほうが、スムーズです。
不動産売却時の査定は、詳しくは別項で記載しますが、どの不動産業者も、最近の近所の似たような取引事例をレインズというサイトを通じて把握し、査定額を出します。
なので、大体の査定相場としてはどの不動産屋も同じ価格帯です。
しかし、ひどい業者は、あえて高い査定額を提示し、媒介契約を取りに来ます。
そのあとで、売却額を短いスパンで数百万ずつ下げさせていきます。
わかっててあえて高い査定額を出す業者は、売り主をだますようにして媒介契約を取ろうとしている悪い業者ですし、わかってなくて高い査定額を出す業者は、その地域に詳しくない業者でしょう。
ですから、目先の査定額の高低で媒介契約先を選ぶのはやめたほうが良いです。そのような営業手法をとる不動産屋は顧客の利益を考えていないと思います。
sponsored link
できるだけ高く自宅を売る方法
では、どうしたら自宅をできるだけ高く売ることができるのでしょうか。
それは一言でいうと、
「信頼できる不動産屋の営業マンに、本気で頑張ってもらう」
ということにつきます。
この会社がおすすめ!という会社はあります。
中小は玉石混淆ですが、やはり大手不動産会社は一定の品質を維持しているのでお勧めです。
ただ、1社に決めきれないのは、人間の営業マンが担当する以上、営業マンによって個人差がありバラツキが出てくるためです。
営業マンごとに誠実さやクオリティや真剣さにどうしても差が出てきます。
したがって、ここで言えるのは、
信頼できる大手不動産会社から、3社ほど査定見積を取る
ということです。
ここで重要なのが、一括査定見積サイトを使うのではなく、手間でも大手不動産各社のホームページから一つずつ査定見積をする、ということです。
なぜなら、一括査定サイトを利用するということは、不動産屋からしてみれば、何社も声掛けしている受注確度(媒介契約をもらえる可能性)が低い客と判断されるため、受注確度の低い見込み客にリソースを割くことをせず、対応はおざなりになります。
一方で、多少手間でも大手不動産各社のホームページから一つずつ査定見積をすれば
・当社を期待して依頼してくれているお客様
・何社も声掛けする軽いおお客様ではない
⇒受注確度(媒介契約をもらえる可能性)が高いお客様
と判断し、本気で手厚く対応してもらいやすくなります。
したがって、手間でも大手不動産各社のホームページから一つずつ査定見積をする、ということが重要です。
そして、自分で対処しきれないほど大量に依頼してしまうと、あとで自分の首を絞めることになるので、せいぜい3社が程度が好ましいです。
会社の知名度、取扱件数、取扱高、売上 から太鼓判を押せる企業およびサービスは、おそらく聞いたことがあると思いますが、
三井のリハウス(三井不動産リアルティ)
住友不動産販売株式会社
東急リバブル株式会社
ノムコム(野村不動産ソリューションズ株式会社)
です。
三井のリハウスとノムコムのリンクを貼っておきますので、各1分程度で済みますから、まずはクリックしたうえで入力ください。
ノムコムの不動産無料査定
査定依頼をすると、査定書がメールで届き、その後実際にアポイントを取って面談することになるはずです。
そのなかで、担当する営業マンを見定め、信頼できる方と媒介契約を締結してください。
数社のうちから1社、専任媒介契約を締結するのが良いのか、数社とも一般媒介契約を締結するのがいいのか、判断が難しいところですが、専任媒介契約だと売買が1社のみに握られてしまうので、信用できる営業マンであれば、全力で動いてくれると思いますが、一方で囲い込みや塩漬けのリスクもあります。
一般媒介にした場合は、営業マンの優先順位が下がりますが、囲い込みや塩漬けリスクは低くなります。
もし、不安で相談したい場合、上の2社に見積依頼をした後であれば、住友不動産販売の紹介や東急リバブルの紹介、個別相談も可能です。