2020/06/02
元不動産屋が教える 自宅売却の恐ろしい塩漬けと囲い込み
自宅を売る場合、不動産屋と媒介契約を締結する必要がありますが、媒介契約には3種類あります。
専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3つです。
理想は信頼できる不動産業者、営業マンを見つけて専任媒介契約にすることですが、専任媒介契約には消費者である売り主にとって非常に恐ろしい塩漬け、囲い込みという手法があります。
もし、この記事を読んで思い当たる節があれば、媒介契約先を変えることをお勧めします。
専任媒介契約の不動産屋の思惑
専任媒介契約とは、1社だけと媒介契約を締結し、自分自身で契約の相手方を見つけるか、その1社を経由して相手方を見つけることしかできません。
一般消費者が不動産売却を自分一人でやり遂げることはおそらく無理だと思うので、実質的に売却窓口が1社だけになる、という契約です。
不動産会社にしてみれば、売り主から専任媒介契約をもらえた時点で、売り主側の仲介手数料はもらったも同然です。
そのうえで早急に買い手をみつけて売り上げを立てて終わらせるか、さらなる売り上げを目指して塩漬け、囲い込みをするかという判断になります。
例えば、4000万円の中古物件であれば、片手の仲介手数料は、126万円+税です。
レインズに掲載して、それを見た購入希望者が他社経由で購入申し込みしてきた場合、売り主側である不動産業者は片手仲介となり126万円の仲介手数料を得ます。(購入希望のお客さんを見つけてきた不動産業者も片手仲介で126万円の仲介手数料を得ます)
ですが、これをもし、買い手も自分で見つけることができれば、いわゆる両手仲介、売り主からも飼い主からも仲介手数料を得ることができ、仲介手数料は倍の252万円になります。
専任媒介契約の囲い込み
ここで、不動産業者は、いわゆる囲い込みを行います。
自分で買い主を見つけて、両手仲介をしたいので、他社経由で購入希望者が出てきても、
「もう決まっちゃったんですよ」「ほかに進めている人がいるんで」
というようなことを言って、他社に客付けさせません。
しばらくして自分で客を見つけて両手仲介をします。
これは売り主にとっては、購入希望者の間口が狭くなるというデメリットがあります。
購入希望者の間口が狭くなるということは、購入希望者が減る分売却金額もそれに応じて下がらざるを得なくなるということでもあります。
一方で、大手不動産業者であれば、知名度、社内ネットワーク、営業手法により、社内で買い主を見つける力も強いので、デメリットもある程度薄くなることもあります。
また、両手仲介になる場合は一つの不動産屋が買い主、売り主双方の仲介をするため、買い主売り主間のやり取りがスムーズに進みます。
専任媒介契約の塩漬け
一方、専任媒介契約の塩漬けは、売却活動を放置することです。
例えば、売り出し価格を高めに設定したが、もちろんそんな高い金額では売れない。
かといって、高い査定額を出して専任媒介契約を取った以上、それを営業マンからは言えない。
もちろん、その金額で売却営業をしたところで、時間と労力の無駄になる。
なので、放置する。
という流れです。
放置は、そもそも営業活動をしなかったり、購入希望者が来ても取り合わなかったりします。
するとどうなるか。
不動産屋は、売り主に対して、「お客さんから問い合わせがなくて、、、」「この前のお客さんは連絡なくて、、、」などといいますが、実際は放置されているので一向に買い主が現れません。
売却開始から1か月経ち、2か月経ち、焦った売り主は弱気になり、結局は売り出し価格を下げるしかなくなってきますので、営業マンがこれなら買い主が見つかりそうだなという売り出し価格になってようやく営業活動を再開します。
中には、もっとひどい場合は業者卸しをもくろむ不動産業者や営業マンもいますので、注意が必要です。
専任媒介契約の囲い込み・塩漬けを見抜くには
売り主側が、不動産屋による囲い込み・塩漬けを見抜くには、他の不動産屋を通じて、物件問い合わせをしてみることだと思いますが、一般消費者である売り主が実際にそれをやるのは難しいと思います。
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できるだけ高く自宅を売る方法
では、どうしたら自宅をできるだけ高く売ることができるのでしょうか。
それは一言でいうと、
「信頼できる不動産屋の営業マンに、本気で頑張ってもらう」
ということにつきます。
この会社がおすすめ!という会社はあります。
中小は玉石混淆ですが、やはり大手不動産会社は一定の品質を維持しているのでお勧めです。
ただ、1社に決めきれないのは、人間の営業マンが担当する以上、営業マンによって個人差がありバラツキが出てくるためです。
営業マンごとに誠実さやクオリティや真剣さにどうしても差が出てきます。
したがって、ここで言えるのは、
信頼できる大手不動産会社から、3社ほど査定見積を取る
ということです。
ここで重要なのが、一括査定見積サイトを使うのではなく、手間でも大手不動産各社のホームページから一つずつ査定見積をする、ということです。
なぜなら、一括査定サイトを利用するということは、不動産屋からしてみれば、何社も声掛けしている受注確度(媒介契約をもらえる可能性)が低い客と判断されるため、受注確度の低い見込み客にリソースを割くことをせず、対応はおざなりになります。
一方で、多少手間でも大手不動産各社のホームページから一つずつ査定見積をすれば
・当社を期待して依頼してくれているお客様
・何社も声掛けする軽いおお客様ではない
⇒受注確度(媒介契約をもらえる可能性)が高いお客様
と判断し、本気で手厚く対応してもらいやすくなります。
したがって、手間でも大手不動産各社のホームページから一つずつ査定見積をする、ということが重要です。
そして、自分で対処しきれないほど大量に依頼してしまうと、あとで自分の首を絞めることになるので、せいぜい3社が程度が好ましいです。
会社の知名度、取扱件数、取扱高、売上 から太鼓判を押せる企業およびサービスは、おそらく聞いたことがあると思いますが、
三井のリハウス(三井不動産リアルティ)
住友不動産販売株式会社
東急リバブル株式会社
ノムコム(野村不動産ソリューションズ株式会社)
です。
三井のリハウスとノムコムのリンクを貼っておきますので、各1分程度で済みますから、まずはクリックしたうえで入力ください。
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査定依頼をすると、査定書がメールで届き、その後実際にアポイントを取って面談することになるはずです。
そのなかで、担当する営業マンを見定め、信頼できる方と媒介契約を締結してください。
数社のうちから1社、専任媒介契約を締結するのが良いのか、数社とも一般媒介契約を締結するのがいいのか、判断が難しいところですが、専任媒介契約だと売買が1社のみに握られてしまうので、信用できる営業マンであれば、全力で動いてくれると思いますが、一方で囲い込みや塩漬けのリスクもあります。
一般媒介にした場合は、営業マンの優先順位が下がりますが、囲い込みや塩漬けリスクは低くなります。
もし、不安で相談したい場合、上の2社に見積依頼をした後であれば、住友不動産販売の紹介や東急リバブルの紹介、個別相談も可能です。