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住宅ローン控除で株の利益を確定申告して22万円還付された話【前編】

time 2017/03/01

住宅ローン控除で、株取引で源泉徴収された所得税が還付された話です。
この【前編】では、住宅ローン控除の概要と、年収500万円の標準的なサラリーマンの場合、いくら住宅ローン控除で還付されるかを説明いたします。

具体的な確定申告書類の作成方法及び株の利益の還付方法は「住宅ローン控除で株の利益を確定申告して22万円還付された話【後編】」にて説明いたしますので、ご参照ください。

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そもそも、住宅ローン控除って何?

住宅ローン控除とは、正式には「住宅借入金等特別控除」という名称で、政府による不動産業界振興策の一つで、住宅ローンを使用して住宅を購入した際に、一定の要件を満たせば、

年末のローン残高の1%が、所得税・住民税から控除・還付される。という税制上の制度です。

詳しくは、国税庁のホームページ(No.1213 住宅を新築又は新築住宅を購入した場合(住宅借入金等特別控除)https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1213.htm)を参照いただくのが確実ですが、簡単に説明すると、

住宅ローンを4000万円借りて、4000万円の新築戸建てを買いました。

すぐに引っ越して住みはじめ、もちろん年末まで住んでいます。

年末のローン残高が3950万円でした。

翌年、確定申告をすると、前年に支払った所得税、ならびに来年払う住民税のうち、最大39万5千円が控除・還付されます。

この制度は10年間有効ですので、条件を満たせば10年間で350万円近く税金が控除・還付されます。

というストーリーを、新築の販売現場でよく聞きます。

ちなみに、控除と還付の違いですが、控除はそもそも払わなくて済むこと、還付は一度払ったものが返ってくることです。

所得税はサラリーマンはその年の分が毎月天引きされますので、還付、住民税は来年支払う分に適用となりますので控除となります。

住宅ローン控除が使える条件とは

細かい話はあとにして、まず住宅ローン控除が適用されるには、次の条件をすべて満たす必要があります。

①新築住宅を購入するか、自ら新築して住宅を取得する

※贈与で取得した場合や、一緒に暮らす親族から取得したものはNG

※中古住宅の場合は別条件があるため、「中古住宅で住宅ローン控除を利用して所得税と住民税を還付・控除する方法」にて解説しています。

②新築又は取得の日から6か月以内に居住する。

※購入したけど、引っ越さないでそのままにしている場合や、賃貸に出して自分は住んでいない場合はNG。

③控除を受ける対象年の12月31日に居住している。(12月31日時点の住民票上の住所になっていることが必要。途中で賃貸に出して自分が住まなくなるとNG。転勤でよくある話。)

④この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3千万円以下である。(高所得者は対象外。額面収入ではなく所得額であることに注意。合計所得なので分離課税分も対象。)

⑤新築又は取得をした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものである。(ここでいう床面積50平米は登記上の面積であることに注意。登記上の面積は内側の壁の表面から測るが、マンションの販売において床面積は計算方法が違い、コンクリートの壁の中心から測るため、販売時の床面積より登記上の床面積は小さくなる。目安は販売上の床面積が55平米以上であれば安心。また、店舗や事務所併用住宅の場合、住居と事務所等の割合に注意)

⑥住宅ローンの残存期間が10年以上である。(10年未満だとNG)

⑦居住の用に供した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例などの適用を受けていない。(併用できません。買い替えの場合で、かつ売却時に大きな利益が出たときは注意。)

還付されると思っていたのに還付されない場合は、10年間の期間の途中で、転勤などで住民票を移してしまったり賃貸に出してしまう(居住要件NG)、販売図面を見て50平米あるから大丈夫だと思っていたら、登記上の面積が50平米未満であった、などが考えられますので、購入する際はよくよく注意してください。

住宅ローン控除でいったいいくら控除されるの?

次に、いったいいくら控除・還付されるのか、という話です。

この制度は結構古く、平成19年からありますが、下表のとおり居住の用に供した年(住み始めた年)によって条件が異なります。

居住の用に供した年 控除 各年の控除額の計算
期間 (控除限度額)
平成19年1月1日から 10年 1~6年目 7~10年目
平成19年12月31日まで 年末残高等×1% 年末残高等×0.5%
(注)控除期間について10年又は15年のいずれかを選択 (25万円) (12万5千円)
15年 1~10年目 11~15年目
年末残高等×0.6% 年末残高等×0.4%
(15万円) (10万円)
平成20年1月1日から 10年 1~6年目 7~10年目
平成20年12月31日まで 年末残高等×1% 年末残高等×0.5%
(注)控除期間について10年又は15年のいずれかを選択 (20万円) (10万円)
15年 1~10年目 11~15年目
年末残高等×0.6% 年末残高等×0.4%
(12万円) (8万円)
平成21年1月1日から 10年 1~10年目
平成22年12月31日まで 年末残高等×1%
(50万円)
平成23年1月1日から 10年 1~10年目
平成23年12月31日まで 年末残高等×1%
(40万円)
平成24年1月1日から 10年 1~10年目
平成24年12月31日まで 年末残高等×1%
(30万円)
平成25年1月1日から 10年 1~10年目
平成26年3月31日まで 年末残高等×1%
(20万円)
平成26年4月1日から 10年 1~10年目
  年末残高等×1%
平成31年6月30日まで (40万円)
(注) 上記の控除限度額は、住宅の取得等が特定取得に該当する場合であり、それ以外の場合の控除限度額は20万円である。

平成21年1月1日から平成22年12月31日が一番控除上限金額が高く、50万円でしたが、以降毎年10万円ずつ上限金額が引き下げられていきました。

平成25年1月1日からは控除上限金額が20万円になりましたが、平成26年4月1日からは消費税の増税に伴い、増税した金額(消費税8%)で取得していれば控除上限金額は40万円になっています。

なので、最近の住宅ローン控除の内容は、

控除期間は10年間。

控除額は年末ローン残高の1%(例えば、年末ローン残高が3000万円なら、30万円)

毎年の控除上限金額は消費税8%で購入(特定取得)していれば40万円(たとえば、年末ローン残高が5000万円だったとしても、40万円)

となっています。

年末が近づくと、住宅ローンを利用している金融機関より、年末ローン残高がはがき等で通知されますが、私は平成28年12月末ローン残高は22,005,456円でした。

したがって×1%で220,545円。百円以下は切り捨てなので、22万円が控除上限金額となりました。

で、実際いくら還付されるのか、という話ですが、住宅ローン残高の1%が貰える、というものではなく、あくまで支払った所得税から住宅ローン残高の最大1%が還付される、というものです。

この表が一番わかりやすいと思いますが、

①所得税+住民税額

②1年間の最大控除額(消費税8%で購入(特定取得)なら40万円)

③年末借入残高の1%

の3つの数字のうち、一番小さい額がその年の住宅ローン控除の控除額となります。

したがって、所得税、住民税を支払って居なければ、何も還付されません。

サラリーマンの所得税・住民税の納税額はいくら?

サラリーマンは給与天引きされた所得税が還付され、自営業者は支払う所得税が控除されます。

所得税は文字通り個人の所得に対する税金です。

おおよその所得税額、住民税額を計算すると、年収(総支払額・額面所得)ごとに

年収200万円:所得税 2.78万円 + 住民税 6.31万円 = 9.08万円
年収300万円:所得税 5.57万円 + 住民税 11.9万円 = 17.5万円
年収400万円:所得税 8.56万円 + 住民税 17.9万円 = 26.4万円
年収500万円:所得税 13.9万円 + 住民税 24.4万円 = 38.4万円
年収600万円:所得税 20.5万円 + 住民税 31万円 = 51.5万円
年収700万円:所得税 31.7万円 + 住民税 38万円 = 69.7万円
年収800万円:所得税 46.9万円 + 住民税 45.6万円 = 92.5万円

となります。

奥さんがいて専業主婦だと、配偶者控除という制度がありますので、税額が下がって次のようになります。

年収200万円:所得税 8778円 + 住民税 3.01万円 = 3.88万円(5.2万円の差額)
年収300万円:所得税 3.67万円 + 住民税 8.58万円 = 12.3万円(5.2万円の差額)
年収400万円:所得税 6.66万円 + 住民税 14.6万円 = 21.2万円(5.2万円の差額)
年収500万円:所得税 10.1万円 + 住民税 21.1万円 = 31.3万円(7.1万円の差額)
年収600万円:所得税 16.7万円 + 住民税 27.7万円 = 44.4万円(7.1万円の差額)
年収700万円:所得税 24.1万円 + 住民税 34.7万円 = 58.8万円(10.9万円の差額)
年収800万円:所得税 39.3万円 + 住民税 42.3万円 = 81.6万円(10.9万円の差額)

※あくまで概算です。ご自分の正確な数字は、源泉徴収票を確認ください。

ですので、一般的な住宅取得層、つまり30歳前後の年収400万~500万円のサラリーマン家庭では、所得税が7~14万円程度、住民税が15~21万円程度を支払っていることになります。

もちろん、いくら住宅ローンを組んでいるかに拠りますが、ほとんどの場合、所得税は全額還付されることが多いです。

住宅ローン控除は住民税からも控除されるの?

住宅ローン控除において、年末残高が4,000万円、特定取得(消費税8%で購入している)であれば、控除上限金額は40万円ですが、所得税を納税額が40万円未満であれば、控除枠が残ってしまいます。非常にもったいないですよね。

そこで、平成21年度税制改正において、住宅ローン減税制度について、所得税から控除しきれなかった額を個人住民税で税額控除することとされました。

住宅ローン控除で住民税からいったいいくら控除されるの?

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たとえば、年末残高が4,000万円、特定取得(消費税8%で購入している)であれば、控除上限金額は40万円です。額面年収が500万円の片働き(妻が専業主婦)世帯だとすると、所得税 10.1万円 + 住民税 21.1万円 = 31.3万円がおおよその納税額です。

つまり、所得税は確定申告をすれば、10.1万円は全額還付されます。

所得税における住宅ローンの控除可能額(控除上限金額)は40万円そこから住宅ローン控除適用前の前年の所得税額(本来納税する所得税額(たいがい全額控除されますが))を引くと、29.9万円となります。

この、29.9万円(40万円の住宅ローン控除上限金額から、所得税還付10.1万円を引いた金額)という金額が、全額控除されるのかと思いますが、実はそうではありません。

消費税が5%の時に購入した場合は、前年分の所得税の課税総所得金額等の5%(97,500円を限度)

消費税が8%の時に購入した場合は、前年分の所得税の課税総所得金額等の7%(136,500円を限度)

となります。

前年分の所得税の課税総所得金額というのは、源泉徴収票の給与所得控除後の金額(左から2つ目)です。年収500万円の共働き世帯(妻が税扶養外)だと220万円程度でなので限度額いっぱいとなりますが、片働き世帯(妻が専業主婦)だと、190万円程度ですので、その5%は95,000円、7%は133,000円となります。片働き世帯(妻が専業主婦)年収500万円以下だと、限度額を下回る金額となります。

消費税5%で購入した人は97,500円、消費税8%で購入したひとは136,500円が、翌年の住民税から控除され、支払う金額が減少します。

住民税から住宅ローン控除を受けるための手続きは?

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市区町村において、住宅ローン控除を受ける方が税務署等(所得税)へ申告した情報を把握できる仕組みとなっていますので、個人住民税の住宅ローン控除の適用にあたって、市区町村への申告は不要です。

年収500万円のサラリーマン家庭は、住宅ローン控除でいったいいくら還付・控除されるの?

ですので、まとめると、

額面年収500万円のサラリーマン片働き(妻が専業主婦)家庭

所得税 101,000円+住民税133,000円=234,000円

額面年収500万円のサラリーマン共働き(妻が税扶養外)家庭

所得税 139,000円++住民税136,500円=275,500円

が、上限となりますので、住宅ローン残高が片働き(妻が専業主婦)家庭なら2,400万円程度、共働き(妻が税扶養外)家庭なら2,800万円程度が、一番無駄のない金額となります。

上限金額が40万円だからといって、4,000万円住宅ローンを組んだとしても、額面年収700万円程度でないと、全額控除を受けることはできません。

「4,000万円以上住宅ローンを組んでも、10年間で400万円還付されますよ!」という不動産営業マンのセールストークは、10年間にわたって額面年収700万円をキープできる人のみを対象としていることに注意してください。中にはこちらの年収が500万円でも、平気で毎年40万円還付されることを前提に資金計画を立ててくる営業マンもいます。

現実的なラインは、年収500万円なら住宅ローンが2,400万円~2,800万円程度、控除・還付額は10年間で200万円程度です。

住宅ローン控除の所得税還付手続きと株の譲渡益の還付方法

具体的な手続きは、初年度は、入居した翌年の3月15日までに、税務署で確定申告を行う必要があります。また、併せて株の譲渡益があり、控除額も余っている場合は、株の譲渡益に伴う所得税納税額からも還付を受けることができます。

ながくなってしまったので、続きは次項で説明いたします。

 

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住宅ローン控除で株の利益を確定申告して22万円還付された話【後編】

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もちどらもセミプロレベルの知識は持っているので、ほんとうはアドバイスをしたいのですが、個別具体的な税務相談は税理士にしかできない業務なので、詳しく知りたい方は税理士にご相談ください。

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以上、お読みいただきありがとうございました。
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