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ウーバーのIPOに沸くソフトバンクグループは売り時か

time 2019/04/12

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ITバブル来高値に沸くソフトバンクグループ

2019年4月12日、ソフトバクグループがITバブル以来19年ぶりに最高値をつけました。

株価は11,475円。前日比+4.89%

米国ウーバー社のIPO申請が起爆剤となったようであり、ソフトバンクグループは16.3%の株式を保有していると言います。

2019年4月15日 11,825円。前日比+3.05%(追記)

ウーバーのIPO予想

ロイターによれば、ウーバーは100億ドル相当の株式売却、バリュエーションは900~1000億ドルを目指している、とのことです。

これは米国史上最高額であり、3月にIPOを行った同業他社リフトの5倍近い規模です。

ソフトバンクグループ(SBケイマン2)はウーバーの筆頭株主であり、16.3%の株式を保有しているので、ウーバーの期待通りのバリュエーション1000億ドルのIPOとなれば、163億ドル(約1.8兆円)の含み益を得ることになります。

ソフトバンクグループは2018年にウーバーに80億ドルを出資していますから、差し引き83億ドル(約9,300億円)の利益となります。

昨日のソフトバンクグループ時価総額は11兆4500億円ですから、9,300億円のインパクトは約+8%程度です。

但し、以前の投資銀行の評価は最大1200億ドルであったものの、直近の資金調達の評価額は760億ドルです。

なので、ウーバーIPOによるソフトバンクグループの評価益の幅は43億ドル(4900億円 +4.3%)~115億ドル(1兆2,880億円 +11%)となります。

もちろん、ソフトバンクグループの株価にウーバーの評価額やIPOはもともとある程度織り込まれています。

1903第3四半期決算報告によれば、株式評価益として6,932億円を計上しており、この数字にはUber、OYO、WeWorkなど複数投資先の公正価値の上昇を見込んだ数字です。

このことを考えれば、つい3か月前は7000円を切っていた株価が11,475円まで上がり、ITバブル以来19年ぶりの高値を付けたこのタイミングは、売り時かもしれません。

赤字続きのウーバー

実際のところ、ウーバーは赤字続きです。

2017年1~3月期以降、、修正EBITDA(償却前営業利益)は、8四半期連続で赤字が続いています。

さらに、黒字化できない可能性を明らかにしています。

結局のところ、売上から管理コストと運転手の報酬を引くと、赤字になるということです。そして、成長も鈍化しており競合他社に食われ、黒字化できない可能性があります。

一口にプラットフォームビジネスと言いますが、フェイスブックやamazon、グーグルとはジャンルが違います。

売上を増やすには、料金を上げる必要がありますが、ウーバーの利点である安いモビリティを阻害しますし客はもっと安い同業他社を利用するでしょう。運転手の報酬を下げたら、運転手は同業他社にうつってしまいます。

同業他社の参入障壁は低く、後発のリフトはシェアを3割以上奪っています。

ウーバーイーツと言う食料配達サービスも手掛けていますが、売上の割合としては6%程度ですから、ほとんどが配車サービスに依存しています。

管理コストを下げない限り黒字化はおぼつきません。

同業他社リフトのIPOから見るウーバーIPO最悪のケース

3月にIPOを果たした同業他社のリフトは、4月11日時点で公開価格を15%下回っています。

配車サービスはビジネスモデルとして儲からないこと。

同業他社のリフトがIPO後株価が急落していること。

同業他社からシェアを奪われること。(後発のリフト(2012年参入)はシェア39%奪取)

同業他社との価格競争に巻き込まれること。

これらの点から、ウーバーのIPOはさほどうまく行かないかもしれません。

同業他社リフトはIPOで目標価格230億ドルを目指し、IPO初日(3/29)終値220億ドル、現在(4/12)163億ドルです(目標価格比-30%)

当初言われた最大1200億ドルの目標価格が同様の高望みだとすると、IPO後2週間程度で840億ドル程度で着地も予想の範囲内です。直近の資金調達の評価額760億ドルに近いですね。

その場合ソフトバンクグループの評価益は840億ドル×16.3%−80億ドル=57億ドル(6,380億円)程度に過ぎなくなる可能性もあります。

また、ロックアップが解除されれば、下落するのが一般的です。

業務請負ではなく雇用を求めるウーバーの運転手

ウーバーは車を所有していて、ヒマのある一般人をドライバーとして利用するビジネスを展開していますが(それでも赤字)、ここにきてウーバーのドライバーたちは業務請負ではなく、雇用するように求め始めています。

ウーバーは運転手たちを個人事業主とし、ウーバーと運転手の間には雇用関係はないとしていますが、世界各国で法的係争になっています。

もし、ウーバーの個人事業主へ業務委託しているスタイルが認められず、雇用とみなされた場合、ビジネスモデルが崩れます。

雇用に見合う賃金、残業代、社会保障税がかかるようになれば、一気にアウトです。

また、ドライバーとの訴訟もあり、仲裁を求める意向を示すドライバーが6万人を超えると言います。

配車サービス起死回生の一手は自動運転だが

自動運転が一般化されれば、運転手の報酬は要らなくなるため、配車サービスは次の時代に飛躍する可能性はあります。

一般に自動運転の普及には10年かかると言われているので、黒字化がおぼつかない中で、耐えられるのかと言う疑問が残ります。

ただ、自動運転自体はウーバーだけでなく、自動車会社各社やGoogleなどが研究を重ねており、ウーバーが勝てる保証はありません。

また、ウーバーは自動運転実験で死亡事故を起こしてから、自動運転の研究は停滞していると言います。

ソフトバンクがトヨタと共にテコ入れするようです。

VCはIPOがゴール ここで売り抜けてしまうのが良いかも

ベンチャーキャピタルは、スタートアップ企業に金を出して、育て上げ、IPOで売り抜けて利益を出すのが仕事です。

かといって、ロックアップが解除されなければ売ることはできません。

たとえば、2017年3月にIPOを行ったスナップチャットは、公開価格17ドル、初値24ドル(+41%)、終値24.48ドル(+44%)でした。高値は27.09ドルでしたが、2か月後に発表した決算が赤字、7月には公開価格を下回り、150日経過後のロックアップ解除で8月には11ドル台となり、2018年末には5ドルを割りました。2019年4月12日現在11.97ドルです。

2019年3月29日にIPOを行ったリフトは、公開価格72ドル、初値87.24ドル(+21%)、終値88.6ドル(+23%)4月1日には一時69.12ドルとなり公開価格を割り込み、4月12日現在59.90ドル(-17%)です。

グッゲンハイム証券はリフト社について「売上高の伸び鈍化、赤字幅の拡大に懸念を示し、収益改善の道筋が見えない。今の株価は適正水準の上限に近い」と4月1日付レポートで述べています。

これは、リフトに限らず、配車サービス業に当てはまります。

飽和状態となったライドシェア市場を見た時に、投資資金を回収したくなるのが真っ当な反応です。

ソフトバンクグループが、ウーバーのIPOで湧いているこのタイミングで売り抜けるのが得策かもしれませんね。

25−4=9?

1903第3四半期決算発表時のテーマでしたが、

25兆円の株式価値から4兆円の準有利子負債を引いて、時価総額が9兆円は安すぎる!というロジックでした。

実際は、25兆円の株式価値には、ウーバーなどに投資するソフトバンクビジョンファンドの株式価値も含まれていますし、連結有利子負債は17兆円です。

正確には25?−17+6=9

と言うのが市場の率直な反応だったのだと思います。

自社株買いも終わるし、スプリント合併も爆弾があるかもしれませんし。

スプリント合併が失敗すると、4兆円の有利子負債を帳簿から消せません。

個人的には現在株価から3割減の9,150円~10,000円がソフトバンクグループ株価の妥当なラインかと思います。

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