2020/06/02
サラリーマンでも株の利益を確定申告すると住宅ローン控除が使える場合について、
説明します。
これ、結構わかってない人が多いみたいです。
新築販売のイベントで、
購入したお客様を翌年の2月ごろに集めて、
「住宅ローン控除確定申告セミナー」
を毎年開催するんですけれども、
外注しているファイナンシャルプランナーたちもたぶんよくわかっていません。
なんなら、国税庁のコールセンターの人も良く分かっていません。
ここでは簡単にエッセンスをお話いたします。
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Contents
住宅ローン控除とは
住宅を購入した時に、年末のローン残高の1%を上限として、
すでに支払った所得税が還付され、来年支払う住民税が控除されます。
要は、払うべき税額が下がる、ということです。
必要な手続きは税務署での確定申告(還付申告)であり、
上限は年末のローン残高の1%(最大40万円)で、
最長10年間、毎年受けることができます。
極論、35年変動金利0.625%で5,000万円の住宅ローンを組めば、
毎年最大40万円の税還付・税控除を10年間受けることができるわけです。
10年間で最大400万円ですね。
(4,000万円の住宅ローンだと元本も返済して減っていくのでマックス40万円というわけにはいかない)
普通に確定申告するとどうなる?
サラリーマンが確定申告することなんてたぶん今まで一回もないし、
これからもないでしょう。
だから普通は、家を買った翌年の1回だけです。
細かいやり方は過去記事を参照していただくとして、
家を買った翌年に確定申告をすると、大体その2か月後に
昨年(家を買った年)に支払った所得税の還付金が振り込まれ、
かつ今年支払う住民税(昨年の所得に対するもの)が控除(減額)されます。
そして、確定申告時にしかるべきチェックボックスをチェックしておけば、
2年目以降は確定申告要らずで勝手に所得税と住民税が控除(減額)されます。
普通のサラリーマンは税控除40万円の恩恵を受けられない
ここでミソなのは、
税還付・税控除ですから、
本来支払うべき所得税・住民税額から、税額控除(減額)が受けられるということなので、
本来支払うべき所得税・住民税が少ないと、住宅ローン控除の恩恵をフル活用できません。
簡単に言えば、
年末のローン残高が4000万円なので40万円の税額控除を受けられるはずが、
本来支払うべき税額が所得税は10万円、住民税は20万円しかないため、
40万円の控除枠のうち、30万円しか活用できず、10万円の税額控除枠が余ってしまった。
というような場合です。
コレ、販売の現場では説明しませんからね。
というか営業マンもよくわかっていません。
普通のサラリーマンだと最大40万円の控除枠を使い切ることができません。
せいぜい25万から30万円でしょうか。
税額控除だから株の利益にかかった所得税にも使えるよ
で、ここでサラリーマン投資家は日の目を見るわけです。
株取引をしていると、
一般口座なのか、源泉徴収無し特定口座なのか、源泉徴収あり特定口座なのか、その3パターンのどれかですが、
一般口座は総合課税で確定申告する必要がありますし、源泉徴収無し特定口座は申告分離課税で確定申告する必要があります。
で、確定申告すると、株で利益が出ていた場合にかかる所得税からも控除されるんですね。
だから普通のサラリーマンが使い切れない枠のあまりが、使えるんです。
で、大半の人は源泉徴収あり特定口座をチョイスしているんだと思いますが、
源泉徴収あり特定口座は、取引ごとに税金を天引きされるから確定申告不要で楽々!!
というメリットがある口座です。
ですから、確定申告しない人が多いです。
が、住宅ローン控除の余った税額控除を使い切りたいなら、
確定申告してください。
これは還付申告といわれるものなので、過去5年さかのぼってできます。
当然、10年間毎年確定申告する必要がありますが、確定申告するのとしないのでは10年間で50~100万円くらいの差が出るので、やった方がいいです。
だいたい、妻がいる年収500万円のサラリーマンだと所得税が10万円、住民税からの控除が最大で136,000円なので、年末のローン残高が2500万円以上あって、かつ株で利益が出た人は株の利益も確定申告すると取り戻すことができます。
額面年収700万円くらいあれば、所得税額が27万円くらいになるので、所得税と住民税だけで最大40万円の還付が狙えます。
株の利益を確定申告するデメリット
サラリーマンであるうちは株の利益を確定申告するデメリットはありませんが、
翌年に退職して再就職しないと、影響が出ます。
退職すると健康保険が会社で加入していたものから、国民健康保険に切り替わりますが、
国民健康保険の保険料は収入に連動します。
そして、確定申告した株の利益は、収入に加算されてしまうので、国民健康保険料が割高になってしまいます。
とうぶん会社辞める気がないのであれば、株の利益を確定申告して所得税還付を狙うのはありだと思いますよ。