2020/06/02
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ライフシフト どうやら我々は100歳近く生きるらしい
3年ほど前に流行ったライフシフトを読んでみました。
人生100年時代という掛け声よろしく、どうやら私たちは100歳近くまで生きるようです。
崩壊する3ステージ制の人生プラン
私は昭和63年生まれですが、生まれた時の人生のイメージと言うのは、
0歳~22歳 就学期
23歳~60歳 就業期
61歳~75歳 リタイア期
というイメージでした。
受験を頑張っていい高校・大学へ行き、単位も頑張って優を沢山取って就活していい会社へ行き
歯を食いしばって60歳まで勤め上げて
リタイアメントをする。
そんな人生をぼんやり描いていました。
でも、そんな人生はもう送りようがなく、私たちは好む好まないにかかわらず、3ステージ制の人生ではなく、マルチステージ制の人生を送らないといけないのです。
誤算① 長すぎる寿命 どうやら100歳近く生きるらしい
多くの日本人や、日本と言う国家設計が抱える一番の誤算は、長すぎる寿命です。
60歳で定年を迎え、72歳で男は死んでいくという時代は終わり、昭和63年生まれは98歳程度、およそ100歳まで生きても全然珍しくない時代がやってきました。
人生100年時代という言葉通りの時代です。
これが誤算の最大のものです。
もちろん、長く生きれるというのは素晴らしいことですが、生きるのにはお金や資源が必要です。
以下の誤算すべては、この長すぎる寿命が最大の原因です。
誤算② 100歳で死ぬとして、85歳まで現役でいる必要がある
100歳まで寿命が延びたとして、昔みたいに60歳でリタイアできるかと言えばそんなことはありません。
年金だけで生きてはいけないので、貯蓄を取り崩していくことになりますから、リタイア期間は伸ばせません。
60歳でリタイアして100歳までの40年間無職で生きていける人はそう多くありません。月8万円でひっそりと暮らしたとしても8万円×12ヵ月×40年=4,000万円の貯蓄が必要です。
しかも、年金制度が破綻すれば、もっと貯蓄が必要です。
従って、現実的ではないので、85歳まで働き続けて、リタイア期間は15年程度、と言うのが現実的です。
そうすると、大学を卒業した新卒23歳から、85歳までの63年間働き続けなければなりません。
60歳定年の時代は37年で済みましたが、人生100年時代の今は63年間です。1.7倍です。
誤算③ 63年間競争力を維持できるスキルなんてない
60歳定年時代では、就労期間である37年を耐えきればどうにかなりました。
新卒で入社しても、時代の流れ、テクノロジーの進歩もゆっくりでしたから、大学時に培った知識と、転がりながらの業務スキルと、年功序列と、右肩上がりのなかでどうにか37年間を耐え抜くことができました。
しかし、人生100年時代の今はどうでしょうか。
テクノロジーの進歩はすさまじく、知識やスキルの陳腐化は早く、情報の非対称性は無くなり、機械やAIが発達し、年功序列や終身雇用は無くなり、人口減少市場縮小していく社会です。
これで1.7倍の長さである63年間を生き抜くことができるでしょうか。
誤算④ 今後63年間存続する大企業なんてない
大企業に入社すれば安心、という時代は終わりました。
もちろん、今でも安定している大企業はあります。
でも、年功序列・終身雇用が崩れ、非正規雇用社員が増え、機械化やAI活用が進み、人口減少市場縮小していく社会の中で、成長していける企業、存続していける企業は減っていきます。
そもそも、新卒から定年までの63年間居続けられる企業、組織と言うものはほとんどないです。
逆に、ベンチャーやスタートアップのような企業が出ては消えていくのが増えるでしょう。
誤算⑤ サラリーマンが最も不安定
サラリーマンと言えば、安月給でも安定しているイメージがありましたが、前述の通りそもそも企業や組織が自分が定年を迎えるまでの63年の間存続し続ける保証は全くありません。
そして、昔は終身雇用と年功序列が約束されていたので、若いときは安月給でも歯を食いしばっていられましたが、今は終身雇用も年功序列もなく、給与は上がらず、です。
同一労働同一賃金の掛け声のもとに、非正規雇用社員と正社員の給与は近づけられていきます。
年功序列による賃上げもなく、各種手当は削られ、市場は縮小していく中で、緩やかな右肩上がりの成長直線を描くのは難しいです。
また、リストラ、事業売却、子会社売却、吸収合併などによって、失業したり労働条件が変わることもざらです。
今後63年の間に、会社がつぶれることもあります。
それでいて月給はどうにか生活できる程度の金額です。