2020/06/02
会社を辞めると決める時に、やはりどれだけお金を持っているかは気になるポイントです。
会社に勤めているということは、良くも悪くもその月に生活できるだけの給料をもらえるということですから、当たり前ですけれど会社を辞めたらその給料がもらえなくなります。
すぐに転職や起業して途切れなくお金が入るのでなければ、ある程度まとまったお金がないと会社を辞めることを決断するのは難しいですよね。
(私が29歳でいくら貯めて会社を辞めたかは後ほど)
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貯金が1億円あれば会社を辞めても大丈夫とよく言われるが
「いくらあったら会社辞める?」という質問に対して、「1億円あったら会社辞める!」と答える割合が多いそうです。
たしかに1億円あればひと安心ですよね。
平均的なサラリーマンの生涯賃金が2億円程度といわれる中で、1億円あったらかなり大きいです。
1億円を年利4~5%で運用すればそれだけで年間4~500万円の不労所得が入ってきますし、1億円を単純に毎年500万円ずつ取り崩していっても、20年間持ちます。
なるほど、という金額です。
ですが、コツコツサラリーマンやOLを続けながら、1億円の現金が手元に残る日、なんて来るのでしょうか?
22歳から働き始めて、平均賃金が500万円で、60歳まで38年間汗水たらして働いても500万円×38年=1億9千万円です。
所得税、住民税、厚生年金保険料、健康保険料が天引きされますから、実際の手取りは38年間で1億3千万円くらいでしょうか。
退職金が2000万円くらい出るとしましょう。
ざっくり計算60歳時点で1億5千万円です。
では、社会に出てから60歳まで38年間働き続けたら、1億5千万円の貯金ができているかと言ったら、そんなことはありません。
当然毎月の給与や賞与の手取りのほとんどは、生活のために消えていってしまいますから、毎月手元に貯金できる額なんで数万円です。
衝撃の数字を出してしまえば、60歳代2人以上世帯の貯蓄額の平均値は1,664万円、これは一部の富裕層が平均を押し上げていますから、中央値を見ると、770万円です。
一億円どころか、中央値でその10分の一の1千万円にさえ届いていません。
よほど実家住まいで、食費や家賃は親に依存し、無駄金をつかわずに頑張って60歳まで働き続ければ、1億円の現金を手にすることができますけど、現実的ではありません。
だからみんな宝くじを買うんですね。
会社を辞めるとどんなお金がかかるか
もう会社辞めてやる!と会社をやめて無職になっても、かかるお金があります。収入0だけど支出も0だからまぁ大丈夫!とはならないので気をつけてください。
収入0でも支出はあるので無職ではデフォルトで収支マイナスです。普段給与天引きされていたのであまり気にならなかった支出が、重くのしかかってきます。
たとえば私のような年収480万円のサラリーマンが会社を辞めて無職になった場合を見ていきましょう。
会社を辞めてもかかる住民税
こいつは厄介です。
所得税はその年の所得に対してかかる税金なので、無職で無収入になれば当然かかりませんが、住民税は昨年の所得に対してかかる税金ですので、今年が無職で無収入でもかかります。
昨年の1月~12月の所得に対して住民税額が決定し、本年の6月~翌5月で支払う必要が出てくるものです。
サラリーマンの住民税の計算方法は以前ご案内しました(詳しくは過去記事参照)が、ざっくり年収480万円のサラリーマンだと年額20万円程度です。
これが、今までは毎月給与天引きされていましたけれど、会社を辞めると市町村から納付書が届きますので、自分で納付する必要があります。
しかも、5月までに辞めてしまうとその年払うべき住民税の残額を一括納付しないといけないので、かなりまとまった額を用意しておく必要があります。
それ以降は、年4回納付書が送られるので、期日通りに払う必要があります。
もちろん、期日を過ぎてしまうと、ペナルティとして延滞税がかかります。
会社を辞めてもかかる国民健康保険料
日本の優れた(?)制度として、国民皆保険制度というものがあります。
金持ちも貧乏人も、年寄りも子供も、医療にかかるときに窓口での負担は3割に抑えられて…という制度です。でも、健康であるほとんどのサラリーマンにとっては全く無駄で払い損な費用です。
若くて元気なサラリーマンやOLが、源泉徴収で納付した健康保険料の半分は見知らぬお年寄りの医療費に消え、残りの半分は病弱な加入者や出産した人等に支払われて消えていっています。普通のサラリーマンは完全に払い損の制度です。
日本医師会が日本で最強最大の圧力団体である理由はこれですね。
医者からすれば、売上の7割を顧客ではなく国が補てんすること、売上の7割が手続きなしに経費になる(つまり税金がかからない)こと。医者ってどんだけイージーなビジネスだよ、と。
おっと話がそれました。
サラリーマン時代は会社の健康保険組合に加入していて、毎月給与天引きされていますが、無職になると国民健康保険に加入する必要があります。
たとえ転職先が決まっていたとしても、無職期間が発生する場合は、その期間だけ国民健康保険に加入することになります。
しかも、サラリーマン時代は健康保険の扶養制度があり、専業主婦の妻や子供を追加負担なく加入させることができましたが、国民健康保険は一人ひとりに保険料がかかります。
市町村ごとに保険料が違うため、一概には言えませんが、昨年の年収が480万円の妻一人子二人で千葉県柏市在住だと、年額約40万円、月額約33,000円の健康保険料がかかります。
また、株の利益からも住宅ローン控除を受けようとして申告分離課税している株の譲渡益を確定申告した場合、譲渡益が収入額として加算されますので、保険料負担は増えますので注意して下さい。
株の譲渡益が150万円だと年額10万円程度加算されます。
私の場合これで月額5万円近くに跳ね上がります。
会社を辞めてもかかる国民年金保険料
次は年金です。
われわれが65歳になった時にもらえるかはわかりません。国民年金制度が崩壊するかもしれないし、支給年齢がもっと引き上げられるかも知れません。まるで国家ぐるみの詐欺みたいな話ですが、支払う義務があります。
サラリーマン時代は厚生年金保険料を給与天引きされていました。これは給与額(標準報酬額)に応じて保険料が変わり、将来もらえる(はずの)年金額も変わりますが、国民年金保険料は一律です。
毎年徐々に値上がりしており、平成29年4月からは月額16,490円となっています。
計算上は毎年欠かさずに月額2万円弱を払い続けると、65歳以降年額799,300円が支給されます。
20歳から60歳まで40年間月額16,490円支払うと、12ヵ月×16,490円×40年=791万円です。
65歳から85歳で死亡するまで20年間年額799,300円支給されると、20年間×799,300=1,598万円です。
定年後10年以上生きれば得します。
ただ支給年齢引き上げや支給額引き下げや保険料値上げで結果は変わってきますが。
会社を辞めてもかかる生活費
あとは生活費です。
無職になって無収入になっても生きていかなければなりませんからね。
どのようなステータスなのかにもよりますが、毎月の生活費がかかります。
住居費(家賃や住宅ローン)
光熱水費
ネット代
携帯代
食費
雑費
教育費
ガソリン代
などなど。もちろんライフスタイルに拠りますので、実家住まいの独身引きこもりなら限りなく0に近いですし、家持ち妻子持ちなら固定費が大きいので削ることは難しいでしょう。
ざっくり当家は
住居費(住宅ローン):57,000円
光熱水費(電気・ガス・水道)13,000円~25,000円(季節による変動あり:春・秋<夏<冬)
ネット代 5,000円
携帯代(二人分)5,000円
食費 45,000円
雑費 30,000円
教育費(幼稚園代一人分)30,000円
ガソリン代(月2回満タン)10,000円
私の小遣い的なものを除いても、毎月約25万円くらい生活費がかかります。高ぇ。。。
会社を辞めてもかかる1か月のコストまとめ
上記を足し合わせると、
生活費25万円
住民税17,000円
国民健康保険料40,000円
国民年金保険料16,490円
合計月額323,490円 うわぁ高ぇ。。。
会社を辞めるときに必要な貯金額
転職なのか起業なのか、収入が上がるまでに必要な期間×毎月のコストが、辞めるときに必要な貯金額です。
私のような妻子持ちの場合、
無職期間が3か月間続くなら323,490円×3か月=970,470円
無職期間が6か月続くなら323,490円×6か月=1,940,940円
無職期間が1年間続くなら323,490円×12か月=3,881,880円
を見ておけば、とりあげず辞めてもどうにかなるでしょう。
会社を辞めてどうするか 転職? 起業?
ざっくりと必要な金額を用意したら、転職するか、起業するかして、収入の道筋を作っていかなければなりません。
転職なのか起業なのかは人それぞれですが、綿密に計画を立てて、必要な期間を計算したうえで、必要になる金額をはじき出してその金額を用意してから辞めないと、お金が足りずにジリ貧になってしまいかねません。
貧すれば鈍するです。
サラリーマンを辞めるなら、計画的に辞めましょう。
会社を辞めて転職をする場合
今の会社を辞めて、ほかの会社へ転職してサラリーマンをしようと思っている場合、できれば在職中に転職活動を行い、退職の翌月から次の会社で働けるようにしておいた方が良いです。
失業手当欲しさに、まぁ6か月くらい無職でもその間に転職先が見つかるだろうと高をくくってどん底に落ちるケースは多いです。
転職活動が遅れれば遅れるほど、じり貧になってしまい目先の生活のために仕方なく条件の低い就職先で妥協することになりかねません。
転職をする場合は、可能な限り在職中に転職活動を行い、転職先を見つけておいた方が良いです。
また、どんなにそこそこ優秀でも、おっさんは転職は無理です。転職は35歳までです。仕組み的におっさんに転職は無理なんです。これだけは若者の特権です。おっさんはわりとガチであきらめて今の会社に骨をうずめるか、起業してください。
ちょっとここでwin-winな話。
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会社を辞めて起業する場合
出来るだけ在職中に会社のノウハウを盗んでおきましょう。
なにかしら起業の役に立つはずですので、片っ端から盗みましょう。(あくまでノウハウをです。備品とかを盗んだらだめです。それは横領です)
そして、在職中に起業や会社設立の準備をしておき、退職と同時に動き出せるようにしましょう。できれば、最終出勤日直後に会社設立登記申請を行い、有給消化が切れるころにスタートが切れるようにすると良いです。
普通にサラリーマンをしていたら1億円なんて貯まる日は来ない
結論を言ってしまえば、ただ漫然とサラリーマンを続けるだけでは、生活していくのが関の山で、60歳になっても1億円がたまることはないでしょう。現実は60歳で貯金770万円です。稼いだ給料のほとんどは使い切っちゃってます。
それを受け入れたうえで、まぁいっかと現職を続けるのもアリですし、宝くじに夢を託すのもいいですし、どうせ60歳まで働き続けるならばと自分に向いた職を探すのもいいですし、サラリーマンをやりながら副業で資産を倍速で築いていくのもいいですし、サラリーマンを辞めて一攫千金目指して起業するのもいいでしょう。
自分の人生ですから、できるだけ楽しく過ごしたいですし、あと後悔しないようにいきたいですね。
株をやるなら貯金1000万円くらいで会社辞めても食っていける
積極的に株式投資で運用していくなら、1000万円くらいあれば、会社を辞めても生きていけます。
私は29歳で約2000万円程度たまった段階で会社を辞めました。
貯金の1000万円を上手に運用していけば、毎月20~200万円、年間240~2400万円くらいは稼ぐことができます。
関連記事:元手が1000万円あれば、週50万円(月200万円)も可能 100万円なら月20万円
たぶん、株でもやらないと29歳で2000万円貯めるなんて無理です。
また、貯金2000万円で会社を辞めて、貯金を減らさずにに生きていくのは難しいです。
コメント
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