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それでもマンションを買いますか?管理費は下がらないし修繕積立金は4倍に上がる。

time 2017/05/11

戸建てかマンションか。

永遠のテーマです。

どちらもメリットとデメリットがありますし、購入する側の好みもあります。個別の事情によりどちらがいいか変わってきますので、一概には言えません。

ただし、マンションを購入する場合は、毎月管理費と修繕積立金がかかってきます。だいたいファミリータイプの新築だと月額2万円程度のことが多いです。

そのことは念頭に入れないと、困るかもしれません。

ここでは分譲マンションを購入した時に発生する、管理費と修繕積立金について話します。

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管理費ってなんだ

管理費とはマンションの共用部分の維持のために毎月支払う費用です。

戸建てはせいぜい庭と駐車場くらいなので、休日にでも掃除したり草刈したりくらいしかありませんが、マンションには戸建てと違って、いろいろな設備がついていたり、いろいろな点検をしなければならなかったりします。

もちろん、マンションも自分の部屋の中のものは自分の所有物なので、自分の部屋の中の維持管理は自分の責任と負担でやるのは変わりません。

土地も建物もまるまる所有物である戸建てと違って、マンションは自分の部屋以外は、マンションの所有者全員で共有する共用部分という扱いになります。

土地は共有ですし、建物の自分や他人の部屋以外の部分である共用部分を維持するために、金がかかります。

よくある例でいうと、

エレベータの電気代と毎月の保守費、壊れた時の修理代や部品代

廊下やエントランスの照明の電気代や管球の交換費用や管理人室、集会室やパブリックスペースの電気代

水道が貯水槽なら清掃費、簡易専用水道検査費、直結増圧方式でも直結増圧ポンプの点検

機械式駐車場のメンテナンス費や壊れた時の修理代や部品代

年2回の消防設備点検費用(法律で実施義務が定められている)

年1回の建築設備点検費用(法律で実施義務が定められている)

3年に1回の特殊建物定期調査費用(法律で実施義務が定められている)

雑排水管清掃費(実施しないでいると排水管が詰まって排水が逆流する事故が起きる)

給水ポンプの電気代

管理人室や共用水栓の水道料(植栽への散水や、日常的な清掃で使用)

定期的な清掃費(何か月かに1回、清掃業者を入れて清掃する)

共用部分にかかる火災保険料(主契約のみならず個人・施設の賠償特約や地震保険も)

防犯カメラのリース代

管理会社への委託費(管理員の人件費含む)

日常的な修繕費

マンションの自分の部屋以外を維持していくために、これらの項目が発生しますので、毎月出費が必要です。

分譲マンションを購入すると、その所有者たちは管理組合を当然に構成することとなり、これらの共用部分の維持のために、毎月管理組合が各部屋の所有者たちから管理費を徴収し、管理組合としてこれらのランニングコストを支払っていくことになります。

これが管理費です。

管理規約で平米単価が決まっており、同じマンション内であれば部屋が広ければ広いほど、管理費負担は増えます。

基本的に、これらの管理費を原資として支払っていく項目は、減ることがありません。ですから管理費が下がることはほぼ無いと言っていいでしょう。

今は原油価格が落ちたため火力発電のための燃料調整費が落ちましたが、原発を再稼働せず、かつ原油価格が上昇していくと、電気料金の値上げにつながったり、消費税率が引き上げられたり、保険料の値上げがあったり、築古になって細かい修繕が多くなってくると、むしろ管理費は上がる可能性があります。

修繕積立金ってなんだ

毎月の維持費である管理費に対して、修繕積立金というのは何年かに一度発生する大掛かりな修繕工事のために、毎月積み立てておく金額のことです。

戸建てでも、10年に1回程度の頻度で屋根の補修や壁の塗り替え、シーリングのうち替えなどの大掛かりな修繕を行う必要が出てきますが、マンションも同じです。

4年に1回の鉄部塗装工事

10~15年に1回の大規模修繕工事(足場を組んで屋上防水、外壁補修等)

15年~20年に1回のインターホン交換工事

25年~30年に1回のエレベータセミリニューアル工事

大きなものだけでも、こんなにあります。

大規模修繕工事はマンションの形状にもよりますけれども、大体戸当たり130~140万円くらいはしますし、インターホン交換工事は戸当たり20万円くらい、エレベータのセミリニューアルも1機あたり1000万円~2000万円くらいします。

それらの金額をいきなり一時金で支払ってくださいといっても無理なので、毎月数千円~数万円ずつ徴収して積み立てておいて、これらの大掛かりな修繕工事が発生した時の原資とするのです。

修繕積立金は分譲当初は6000円くらいに設定されていることが多いです。ぶっちゃけた話、あまり高額にすると、購入者の毎月の支払総額が大きくなりすぎ、その分ローンが組みづらくなるので、あえて低額に設定しています。

そして、修繕積立金はだいたい5年ごとに段階的に値上げが予定されており、30年スパンで見ると、だいたい4倍程度まで上がるように計画されています。

新築当初6000円だったとしても、30年の間には4倍の24,000円くらいまでは普通に上がっていきます。

ですから、新築購入当初は管理費、修繕積立金の負担は毎月2万円だとしても、10数年後には、月額4万円を超えるようになります

支払わないとどうなるか

毎月管理費と修繕積立金なんて払いたくない!という方も当然居りますが、これは区分所有法で管理組合(それぞれの部屋の所有者全員で作る団体)が組合員(つまりそれぞれの部屋の所有者)に対して請求できる債権として認められていますし、そのマンションの管理規約で金額や支払期日が定められています。

管理費や修繕積立金を支払わないでいると、あくまで債権者は管理組合であるため、各マンションごとに対応の温度差はあれりますが、滞納となります。

管理組合や管理会社による電話、訪問、書面による督促からはじまり、管理組合から内容証明郵便が届き、最終的には支払督促の申し立て少額訴訟・通常訴訟の提訴といった法的措置を取られ、債務名義を取られた後は給与の差し押さえ預金口座の差し押さえ、果ては部屋の競売申し立てまで起こりえます。

もし途中で売却したり、ローンや固都税の滞納から競売にかかって所有者が変わっても、区分所有法により全所有者が滞納した管理費・修繕積立金を管理組合は新所有者にも請求できるので、新所有者が支払うケースも多いです。

滞納状況は年1回の管理組合の総会で報告されますし、毎月管理会社から理事長(管理組合の代表者)へ報告されますので、マンションに住みづらくなると思います。

ずさんな管理会社と管理組合だと滞納が膨らむ一方で、最悪回収できないこともあります。

また、おなじマンションの中にそういう滞納者がいると、結局はその穴をほかの居住者たちで埋めることになります。

まとめ

固定資産税や都市計画税額、火災保険料金など、マンションのメリットもあります。また、上層階であれば眺望や、駅からの距離などの利便性、鉄筋コンクリート造ならではの耐震性、オートロックがあったり窓が少ない、防犯カメラがあるといったセキュリティの面、インターネット代が安く済んだり、中古で売却しやすかったりといいことも多いです。

ただ、新築当初から管理費と修繕積立金が毎月2万円程度かかること、そしてそれが30年の間に4万円~5万円まで上昇していくことは認識したうえで、購入してください。

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