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後悔しない住宅ローン。どのように組むべきか。不動産屋の本音

time 2017/05/10

住宅ローンは使い方によっては人生を素晴らしくしてくれるものであり、また、破滅のふちに追い込むものでもあります。

借金なんてみんなそんなもので、いい借金と悪い借金があります。

今回は、住宅ローンを悪い借金にせず、できるだけいい借金にするためのチェックポイントをお話しします。

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オーバーローンは避けるべし

自宅を売却したいのに売却できない!オーバーローンの恐怖

詳しくは過去記事をお読みいただくのがよいですが、かいつまんでいうと、ローンの残債を市場価格が下回るローンの組み方(オーバーローン)は避けてください。

4000万円のローンを組んでいるが、売却しても3500万円にしかならないとすると、足りない500万円を別途用意しないと売却できません

おこりがちな条件としては、新築をフルローンで購入してしまうことや、中古リノベーション物件をフルローンで購入してしまうことです。

新築には新築プレミアムが乗っかっています。

新築プレミアムの恐怖!はげ落ちるのはなんと○割!?

また、中古リノベーション物件はリフォーム工事費と業者の経費と利益が乗っかっていますが、さらに売却しようとした場合そこまでの価値はありません。

ですので、物件の市場価値を上回る住宅ローンを組むこと(オーバーローン)は避けましょう。

諸費用は用意するべし

新築、中古問わず、不動産購入には物件の代金のみならず、諸費用が掛かります

不動産投資に手を出す前に考えておきたいこと・イニシャルコスト編

登記費用(登録免許税と司法書士報酬)、契約の印紙代、火災保険料、按分した固都税、住宅ローンを組む場合は保証会社の保証料、ローンの金融機関、保証会社の事務手数料、中古の場合は仲介業者への仲介手数料がかかります。

ざっくりイメージとしては、新築住宅の場合は物件価格の5%。中古住宅の場合は物件価格の10%。諸費用が掛かると思って差し支えありません。

10年位前から、物件価格のフルローンのみならず、この諸費用さえローンに組み込んで住宅購入をさせる諸費用ローンというものが出てきましたけれども、辞めたほうがいいです。

諸費用ローンそのものの金利が高いこと、住宅ローンと合算した場合も金利の優遇幅が減り金利が高くなることから、諸費用くらいは現金で用意したほうが最終的な支払い金額の点でも、またオーバーローンのリスクを下げる点でも、得策です。

諸費用は自分たちで現金で用意しましょう。

新築住宅の場合は物件価格の5%。中古住宅の場合は物件価格の10%みておきましょう。

支払っても生活に支障がない金額にするべし

住宅ローンをいくらまで組めるかと、住宅ローンはいくらなら問題なく返していけるか、は全く違います。

住宅ローンはいくら組めるのか。新入社員でもわかるサラリーマンの基礎知識

極論すると、年収500万円のサラリーマンであれば4,100万円の住宅ローンが組めます。じゃあ4,100万円のローンを組んでみましょう。

毎月の返済額は、変動金利・元利均等35年住宅ローンで優遇金利0.625%だとすると、108,710円です。

年収500万円と言っても、給与と賞与の割合にもよりますが、額面月給は30万円~35万円ですので、手取りは22万円~26万円くらいです。

22万円~26万円の手取りの中から、毎月欠かすことなくコンスタントに108,710円を支払いっていけるでしょうか?

手取りに占める住居費割合が41%~49%というのは、かなりきついと思います。毎日あくせく働いて手に入れた給与の半分近くを住宅に住むためだけの費用として消費することになります。

手取りに占める住居費割合の理想は25%と言われていますので、手取り22万円なら月額返済額55,680円、これだと借入額は2,100万円、手取り26万円なら月額返済額63,635円、これだと借入額は2,400万円です。

借入可能額上限である4,100万円と比べると半分近いですが、年収500万円で、しかも右肩上がりの時代は終わった今、実際に無理なく生活しながら返していける借入額としては2,500万円くらいになります。

夫婦でダブルローンは避けるべし

女性も当たり前のように就職して働く今、奥さんが働いていて収入があり、ローンの借入額に合算できる場合や、奥さん名義でも住宅ローンが組める世の中になっています。

簡単に言えば、年収500万円の夫と、年収500万円の妻それぞれが4,100万円ずつローンを組んで、8,200万円のローンとすることも可能です。

しかし、待ってください。

住宅ローンは35年という超長期です。男の人は定年まで、というより65歳まで働く前提ですが、奥さんも65歳までフルタイムで働き続けるのでしょうか?

ほとんどの女性は、22歳から働き始めて65歳でリタイアするというサラリーマン街道から、途中でドロップアウトします。

働く女子は幸せか?一部のバリキャリ女子を除いてぶっちゃけみんな寿退社したい。

性格的にそうなのかもしれませんし、社会の構造的にもそうです。したがって、奥さんの収入を当てにしてローンを組むことは実際は可能ですが、避けたほうがいいです。

奥さんが妊娠したら?出産したら?働けませんよ。育休が終わったら復職できますか?時短勤務で給料が下がってもやっていけますか?30過ぎの子持ち女性のポストがある会社ですか?

奥さんがバリキャリ女子ならローン2本立てもありです。ただし、ローンを組める上限いっぱいまで組んではいけないのは同じです。

住居費以外の費用も考えるべし

よく、今までの賃貸の家賃と同じくらいだから、買っちゃえ!と判断するケースが多いですが、マイホームは賃貸の家賃よりもかかってくる項目があります。

固定資産税と都市計画税

固定資産税と都市計画税の計算方法(実物あり)

建物の火災保険料

修繕費やリフォーム費用

マンションなら管理費修繕積立金

毎月のローン返済額だけでなく、これらの費用がかかってくることを頭に入れておかないと、お金が足りなくなります。

頭金は2割用意するべし

オーバーローンの話でも触れましたが、新築にせよ中古にせよ、相手の利益が乗っかっていますので、必ず購入価格より実際の価値は低いです。

ですので、頭金は2割用意しましょう。

3000万円の物件なら600万円です。4000万円~5000万円の住宅は、年収500万円のサラリーマンにとっては身の丈に合わない買い物です。

もちろん頭金はあるに越したことはないですが、かといって、頭金をそれ以上貯めるとその間の家賃がもったいないので、2割が妥当なところでしょう。

頭金貯めてる間の家賃がもったいない。2割貯めたら買ってしまえ。

まとめ

つらつらと書いていきましたが、年収500万円のサラリーマンが住宅購入をする場合の目安としては、

①物件価格は3000万円

②諸費用150万円は現金で用意をする

③妻の収入はあてにしない(あくまで+αの副収入としてとらえる)

④頭金2割の600万円は現金で用意をする。

これなら、生活に支障なくマイホームを購入し、維持していくことが可能です。

この条件を外れても住宅ローンは組めますし、より高額な住宅を購入することは可能です。むしろそのほうが我々不動産業者は儲かるのでそれでいいんですけれども、この条件を外れれば外れるほど、あなたの生活が苦しくなるのは頭に入れておいてください。

10年以上のローンはだめとか寝言は寝て言え。35年住宅ローンを上手につかおう。

住宅ローンは使い方次第でよくもわるくもなります。せっかくなので住宅ローンという制度をうまく活用して、素晴らしい人生の足しにしてください。

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