2020/06/02
女子たちは働きます。
たぶん今の30代からアラフォーくらいの女子たちから徐々にそうなってきていて、私たちの世代は当たり前のように女子たちは大学へ行き、リクルートスーツに身を包んで就職活動をして、そしてこの春サラリーマン(サラリーウーマン?)として働き始めています。
しかし、女子たちよ!本当に幸せか?と問うと、
62年生まれ世代の筆者が同級生や同僚、年齢の近い先輩後輩女子に聞いたところ、20代~30歳くらいまでのほとんどの女子はしんどいしきつい、早く辞めたいがアテがないとといいます。
この記事は20代~30歳くらいまでの会社員として働く普通の女子たち、その周囲の男性社員たち、そして就活しようとしている大学生の女子たちの参考になれば幸いです。
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Contents
なぜ女子が働くのか
20年くらい前までは、女子の就職というのは結婚するまでのほんの腰掛で、高校か短大を卒業したら一般職で就職して、事務を3年~5年やって寿退社というのが王道でした。
しかし今は違います。
いまの普通の女子たちは、すごく当たり前のように大学受験をして、就活をして、サラリーマンになっていきます。
そこに疑問はありません。
なんで就職するの?と問われれば、「周りがみんなそうしているから」との答えが返ってきます。
いままで男たちが何の疑問もなく乗っかってきた学校教育からの労働者というベルトコンベヤーに女子たちも乗っかっているだけです。
そういう世の中になってしまっています。
いわゆるフェミニストと呼ばれる女性活動家たちによる「女性も社会進出を!!」というもっともらしい掛け声とともに、並みの男以上にガンガン働きたいというバリキャリ女子たちだけでなく、ごく普通の女子たちまでもが労働者として資本主義社会にぶち込まれる構造が出来上がっています。
男女平等といえば聞こえがよく、男尊女卑といえば最低な印象を受けますが、要は女性の労働力化です。
女性を労働力として使うと、単純計算で労働人口は二倍になります。少子化が進んで人口自体が減っていくとしても、今まで男だけだった労働市場に女性を追加すると2倍ですよね。
女性を働かせる資本家側のメリット
労働力が安くなる。安い給料で働かせることができる
求職者、労働者が増える分、賃金は下がります。たとえば1つの仕事に対して1つの求職者であれば給料交渉は妥当なラインに落ち着きますが、1つの仕事に対して2人の求職者がいたら、そしてそれらの求職者に能力やステータス的な差がなければ、より安い給料で仕事してくれる人間を雇いますので、給料は下がります。
女性を労働者として働かせるということは、労働者全体にかかる人件費(つまり給料)に下方圧力をかけることができるのです。
昭和63年には勤続1年以上の給与所得者は37,670,207人いましたが、平成27年には47,939,728人います。
少子化だの高齢化だの言っていますが、給与所得者は30年近く前と比べて約1000万人、27%増えています。
もちろん高齢男性の雇用延長などもありますが、増えた約1000万人のうち、400万人が男、600万人が女です。
平均年収は平成4年~12年までが460万円前後で推移していましたが、平成21年~25年で400~420万円です。
年功序列的なメリットを受ける前に勝手に辞めてくれる
給料は年功序列であり、同じような仕事をしていても24歳の若手と34歳の中堅だと給与に差が出ます。
しかし女性は結婚、出産という大きな壁があります。
壁というのはサラリーマンを続けていくうえでの壁です。だいたい辞めます。もしくは職種転換したり時短勤務になります。
ですから、年功序列的な給料形態のなかで、安いうちに働いてくれて、給料が高くなるころに勝手に辞めていってくれる、非常にありがたい存在です。
かなり金をつかう消費者になってくれる
女性が働き、給料をもらうことで、いろいろなものが売れるようになります。
給料をもらうとストレス発散でいろいろなものにお金を遣います。
いままでのサラリーマンの旦那から小遣いをもらう主婦の比ではない可処分所得(必要経費を抜いた、自由に使えるお金)を持っています。実家暮らしの総合職なら固定費を除いても月に15万円くらいを自由に使える上客です。
家電やエステ、ブランドの服、女子会等、働く女性が買ってくれることで成り立っているビジネスは多いです。”女子会”だなんて騒ぎ始めたのは私が大学生のころ(2008年前後)ですし、女性向け分譲マンションが出たのも2010年前後です。
スマホとかタブレットとかパソコンとかの通信端末も一人一台で売れていきますし、独り暮らしをするなら一家に一台の電子レンジや冷蔵庫、洗濯機といった白物家電や住宅も需要が発生します。とりあえず女性に物を売りつけようという戦術がたいへん有効な時代になっています。
女性は労働者としての活用だけでなく、消費者としても大変優れた存在なのです。
お小遣いが3万円しかない妻子持ちのしがないサラリーマンよりよっぽど大事なお客様です。持っている金が違いますからね。
あと定職についてますから、金を貸すことができます。クレジットカードやカードローン、果ては住宅ローンまで、実際に定年を迎える65歳まで働くかは別として、働く女性に金を貸すことができるのは大きいです。その分マーケットが増えますからね。
女性が働くことによる資本家側のデメリット
資本家は、というより企業経営者は、ほとんどサラリーマン社長です。
昨今紙面を賑わす損失隠しなども、サラリーマン社長が自分の任期中(2年~6年)だけ業績を上げればいいという短期的な視野に立っています。
「われ亡き後に洪水来たれ」という言葉通りの何とも自己中心的で、短期的な目線であり、10年先100年先を見据えた企業経営なんてしていません。社長も、役員も、部署長も。今期の予算を達成できるかどうか、それだけです。これには目先の業績しか評価しない株主側の態度にも問題はあります。
女性の登用による人件費の圧縮およびマーケットの拡張はたしかに目先の企業業績を底上げします。
しかしながら、働く女性のアフターフォローをちゃんとしてあげないと、晩婚化、未婚化、高齢出産、不妊、少子化などのリスクを発生させることになり、長期的に日本全体を衰退させてしまうことになります。
女性が働くことによる普通の女性側のデメリット
男の賃金が相対的に下がるため、養ってくれる男が減る(減った)
女性が労働者として働くことで、相対的に男の給料は下がります。
まず就活の際に10人の応募に対して男女比5:5ならば、あぶれた男たちは非正規雇用(派遣社員や契約社員、アルバイト等)にならざるを得ません。
次に女子が労働者として働く分、労働市場における労働者が多すぎて、給料上昇が抑えられます。
すると、男たちは女を養ってあげる金銭的余裕がありません。
だから、デートで割り勘とか、晩婚化とか、結婚できないとか、結婚後も共働きをせざるを得ない等の事象が発生します。
男が金を持っていれば、見栄張ってデートしてなんやらかんやら進んでいきますけど、同世代の男子にはそれは難しいでしょう。
なので余談ですけど金に余裕のあるおっさん世代に若い女子たちがくっつく傾向があるように感じます。
男の平均給与は平成9年の577万円を頂点として下がり続け、平成27年は520万円になっています。
女性が働くことがデフォルトになっており、共働きせざるを得ない
昔は寿退社がデフォルトでしたけど、今はよほど相手の男性が稼ぐ男じゃないと、女性も何かしら働き続けないと家計を回していくことができません。
昔は一家の稼ぎ手が男だけでしたから、家庭を回すのに必要な金額が600万円だとしたら、男に600万円を給与として渡していましたけど、稼ぎ手が男女に分散するなら、一人300万円ずつ渡せばいいということになります。
ですから、世帯年収600万円でも、女性が離職したら世帯年収300万円に真っ逆さまです。
30歳~35歳くらいの総合職共働き夫婦で「うち世帯年収1000万円なんだ!」と自慢げにいう人をよく見ますけど、女性が働かなくなった瞬間、世帯年収は500万円になりますから、生活を維持するためには女性は働き続けないといけません。
一昔前でいうところの「あがり」が相当難しくなっています。
寿退社は今では夢物語かもしれません。
若さを失う
これは最大の点です。
労働をするということは、時間を切り売りするということです。
そして女性の若さは、半端じゃない価値を持っています。
20歳と25歳では全然違います。
30歳はもう全くの別物です。
女子が自分で思っている以上に、若さは半端じゃない価値を持っています。
そして、日々年を取ります。
歳をとると、オンナとしての魅力は加速度的に落ちていきます。
婚期を逃す
昔は高卒や短大卒で一般事務職として就職し、遅くとも30手前で結婚して寿退社する、というのが王道でした。
高卒なら18歳。短大卒なら20歳です。
しかしながら、現代ではみんな当たり前のように大学へ進学します。
大学を卒業した時点で22歳です。
そこから就職して、3年、5年と働くだけでアラサーです。
うかうかしていると東京タラレバ娘みたいになってしまいます。
高齢出産になる
子供を産むという能力は、女性にしかない素晴らしい能力です。
昔倖田來未がいわゆる「羊水腐る」発言で大バッシングを受けていましたが、正直な話年齢が上になればなるほど、高齢出産リスクは増えます。
我々の親世代は日本産婦人学会が高齢出産の定義を30歳以上の初産婦にしていましたが、91~93年に定義を35歳以上の初産婦に変更されました。
母体の危険や死産、流産、障礙などのリスクは、加齢とともに増加します。
金銭感覚が合わせづらくなる
総合職の給料をもらって、それを遣う生活に慣れきってしまうと、同棲や結婚、子供ができた時の産休、育休などのライフステージが大きく変わるタイミングにうまく適応することがかなり難しくなります。
総合職の実家暮らしで毎月15万円を好きに使えていたのが、子供ができて仕事しなくなって、月の小遣い5,000円でやっていけますか?
女性が働くことによるバリキャリ女子のメリット
これはバリキャリ志向の女子たちには最高の環境でしょう。
ほとんどのサラリーマン女子は普通の女子ですけど、ごく少数の割合で並みの男たちより優秀で、やる気があって、人生を仕事に捧げる熱意を持った女性は存在します。体感では10~20%くらいでしょうかね。
80~90%の普通女子と、10~20%のバリキャリ女子。
昔は女性だからというだけで社会進出が妨げられており、一部のバリキャリ志向の女子たちが日の目を見ることは至難の業でした。
しかし現代は女性の中でも、あらゆるものを犠牲にして男たちを押しのけて仕事したい、出世したいという人がごく一部にいます。そういったバリキャリ志向の女子たちにとっては、素晴らしい時代だと思います。
まず、仕事社会の表舞台に立てること。一昔前なら考えられませんが、いまなら総合職正社員として男たちと対等に肩を並べて仕事をすることができます。昔は同じ土俵に立つことさえできなかったので、大きな進歩です。
次は、下駄履きです。日本も社会全体として女性登用を推進しており、アファーマティブアクション的な面がありますので、簡単に言えば女子であるというだけで下駄履きがあります。
たとえば管理職を10人選ぶうち、半数を女性にすることを決めているのであれば、男性と女性の成績優秀者を5名ずつ登用します。
男性のほうが分母が多い分、男性の成績上位5名と、女性の成績上位5名の成績の差は大きいですが、どちらも管理職登用されますので女性のほうが女性である分有利です。
例えば男性の成績上位が100点、98点、95点、93点、91点、90点…
女性の成績上位が100点、95点、93点、90点、88点、86点…
という成績であった場合、単純に成績上位者10名を取った場合は男性6名、女性4名となりますけど、男女それぞれから上位5名ずつ取った場合、男性の90点は選考から漏れ、女性の88点は選考に残ります。
女性登用の推進というアファーマティブアクションは女性有利、男性不利な仕組みです。
ですからバリキャリ志向の女子たちには最高の時代ですね。
女性が働くことによる男性側のデメリット
就職の椅子が減る
女性が就活する分、新卒入社する椅子が減ります。
いままでその会社は総合職正社員を100人採用していました。
10年前は全員男。つまり100人の男が就職できました。
現在は採用は男女50:50。つまり50人の男しか総合職正社員として就職できず、残りの50人はほかの食い扶持を探さないといけなくなります。
したがって、男でも希望の会社へ入社できない、総合職正社員として就職ができず、非正規になってしまうということが発生しやすくなります。
給料が下がる、上がらない
女性が働く分、賃金自体が低く抑えられてしまいます。
これじゃあ家族を養えない?いやいや、嫁を働かせればいいでしょ?というのが今の社会です。
出世の椅子が減る
女性登用が推進される分、本来なら出世できたそこそこ優秀な男が出世できません。
家事負担や育児負担を強いられる
女性が働く分、家事や育児も分担になります。
痴漢やセクハラリスクが増える
働く女性が増える分、満員電車での痴漢冤罪リスク、会社内でのちょっとした言動がセクハラ認定されてしまうリスクが増えます。
女性が働くことによる男性側のメリット
一家の稼ぎ手が二人になる
労働者が二人になり、収入の口が2つになりますので、一人で働くよりは世帯の収入は増えます。またリスクも分散され、「親亀コケれば子亀もコケる」リスクが減ります。
会社に女性がいる
仕事場に女性がいます。もちろん一般職の女性がいるだけでも華やぎがありますが、女性の数が増えれば増えるほど、やる気アップにつながります。
おっさんだらけの仕事場とか苦痛ですからね。
まとめ
どんな制度にも必ずメリットとデメリットがあり、損する人と得する人がいます。それを見据えたうえで、できるだけメリットを享受できるよううまく立ち回りたいですね。
端的に言えばいまの時代は一部のバリキャリ女子が活躍できる場が提供された分だけ、普通女子と普通男子が割を食う仕組みになっています。
バリキャリ女子は、ひたすら頑張ってください。世界はあなたの活躍を求めています。
普通女子は、明確な出口戦略を考えてください。だらだら流されると気づいたら年だけ取っていたなんて笑えませんからね。幸せな人生に向けて戦略的に生きていきましょう。
コメント
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